特集 造血器腫瘍
Ⅲ 検査法の基礎知識
2.細胞染色法
岡田 美樹
1
Miki OKADA
1
1(財)癌研究会附属病院臨床検査第1部
pp.1253-1259
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905225
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普通染色
血液細胞形態を観察するうえで,最も基本的な染色法である.普通染色にはRomanowsky染色と呼ばれるギムザ染色,ライト染色,メイ・グリュンワルド・ギムザ染色,ライト・ギムザ染色などがある.しかし単染色であるギムザ染色とライト染色は,血液細胞形態の観察においてはともに染色性に不十分な点が多くあまり奨励できない.今回,造血器腫瘍の細胞形態は血球の細部に至る入念な観察が必須となるため,ここでは単染色に比し染色性のより優れた二重染色であるメイ・グリュンワルド・ギムザ染色とライト・ギムザ染色について述べる.
目的:末梢血液,骨髄液中に存在する血液細胞の観察を目的とする.造血器疾患の細胞鑑別には,今日多くの細胞化学的染色や免疫学的細胞マーカー解析が普及しているが,まず血液細胞の基本的な分類においての第一歩として,多くの情報を得ることができる.
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