増刊号 血液・尿以外の体液検査法
資料
細胞診に用いられる固定,染色法—Papanicolaou染色を中心に
南雲 サチ子
1
1大阪府立成人病センター細胞診断科
pp.877-880
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900263
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はじめに
細胞診断は,細胞標本を顕微鏡下て観察し,癌細胞か否かを判定する癌の診断法の一つである.細胞採取法の進歩に伴い細胞診もあらゆる臓器が対象となりうるが,特に生検を簡単に行うことができない臓器では細胞診が極めて重要である.そして最近では早期癌の診断には欠かすことのできない検査法である.今回のテーマである《体液》の細胞診も癌の診断だけでなく,原発巣の推定も可能であり,また抗癌剤の治療効果などの判定にも応用されている.
細胞診には,Papanicolaou染色のほかにGiemsa染色,periodic acid Schiff(PAS)反応,アルシャン青染色などもよく使用されるが,ここではPapanicolaou染色について述べる.
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