特集 造血器腫瘍
Ⅱ 造血器腫瘍の病態と分類
3.骨髄異形成症候群
澤藤 かの子
1
,
木崎 昌弘
1
Kanoko SAWAFUJI
1
,
Masahiro KlZAKI
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.1217-1221
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905218
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はじめに
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syn-dromes;MDS)は無効造血を特徴とし,骨髄幹細胞レベルでの異常に起因する造血障害であり,新WHO分類においては末梢血または骨髄中の芽球が20%未満と定義されている.MDSから急性白血病への移行が経過中しばしば認められるが,その頻度は病型により異なるものの予後を決定するうえで重要である.MDSの大部分は骨髄不全の進行により様々な症状を呈し高齢者に多く発症することもあり,重篤な感染症や出血症状をきたすことが多い.新WHO分類ではFAB分類におけるrefractory anemia (RA)が赤芽球系のみに異形成が認められるRAと2系統以上の細胞に10%以上の異形成を有するrefractorycytopenia with multilinage dysplasia (RCMD)に分類された.また,refractory anemia withringed sideroblast (RARS)の環状鉄芽球比率は骨髄有核細胞から骨髄赤芽球の15%以上と改められ,RA with excess of blast (RAEB)も芽球の比率でRAEB-1とRAEB-2に分類された.また,MDSにしばしばみられる5q―症候群を1つの疾患単位として独立させた.
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