特集 造血器腫瘍
Ⅱ 造血器腫瘍の病態と分類
2.慢性骨髄性白血病
東條 有伸
1
Arinobu TOJO
1
1東京大学医科学研究所先端医療研究センター分子療法分野
pp.1212-1216
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905217
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骨髄増殖症候群
慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leuke-mia;CML)は,真性多血症(polycythemiavera;PV)・本態性血小板血症(essential throm-bocytosis;ET)・骨髄線維症(primarymyelofibrosis)とともに骨髄増殖症候群(myelo-proliferative disorder;MPD)の一病型として位置づけられる.MPDの発症は骨髄系造血幹細胞またはより未熟な幹細胞に生じた遺伝子異常に起因する.異常を生じた幹細胞は正常幹細胞より旺盛な血球産生能力を有するため,やがてリンパ系細胞を除くほとんどの成熟血球は異常幹細胞に由来するようになる.どの系列の血球増加が顕著になるかは原因遺伝子の種類によって決まると考えられるが,実際に原因遺伝子が同定されて病態解明が進んでいるのはMPDのうちCMLだけである.他の病型についてはCMLから類推される部分が多い.
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