特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅵ.産婦人科
3.妊娠
上妻 志郎
1
Shiro KOZUMA
1
1東京大学大学院医学研究科生殖・発達・加齢医学専攻産婦人科学/周産期医学
pp.1475-1478
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904959
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はじめに
産科領域においては,検査法の胎芽・胎児に対する影響という点から,超音波診断の果たす役割は大きい.特に,経腟超音波法は子宮近傍からの観察を可能とするため,得られる情報が経腹法より多く,妊娠前半期において極めて有用である.妊娠早期の子宮内所見は観察可能時期などに関し経腟法と経腹法とで異なることがあるため,診断の際には注意する必要がある.妊娠後半期になると子宮が増大するため,経腟法は子宮頸部とその周辺の観察をする場合に限られ,ほとんどの場合に経腹法が用いられる.その際に,仰臥位での観察は増大した子宮による母体下大静脈圧迫を起こし低血圧ショックを引き起こすことがあるので,妊婦の状態には常に注意を払い,必要に応じ左側臥位での検査を行う.本稿では,紙面の都合上,胎児異常の診断については除外した.
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