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組換えCRP(rCRP)の生産と臨床検査への応用
松尾 雄志
1
,
新井 秀夫
1
1オリエンタル酵母工業(株)飼料・バイオ事業部バイオ部
キーワード:
遺伝子組換え
,
rCRP
,
E. coli分泌発現
Keyword:
遺伝子組換え
,
rCRP
,
E. coli分泌発現
pp.1547-1549
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904263
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1.組換え蛋白質の意味
ヒト酵素/蛋白について"天然型vs組換え型"の対比は臨床検査分野で重要な意味合いがある.遺伝子組換え技術を駆使すれば,ヒトに起因するさまざまな問題が解決し,儲かるという発想は大変説得力があるように聞こえる.酵素のように,両者の差異を比較的討議しやすい物質はさておき,抗原蛋白の場合はいくつか困難が予想される.封入体ではなく人然型と同様の高次構造のものが大量安定生産できるか?生産できても抗体として評価したときに,天然型と差のないものができるか?
免疫測定には抗体が認識するエピトープによっては酵素活性測定とは異質の種々の可能性があるが,同時に抗原ならびに抗体の質によって新たな問題を提起することにもなる.これまでにデータが集積されている検査項目の抗原を組換え蛋白に置き換えようとする場合は,集積データと異質の結果は"オモシロイ"けれども,臨床検査の現場では混乱を招くだけであり,結局儲からない.血清CRPの免疫測定も正しくそのとおりであるが,組換えCRP(rCRP;recombinant C-reactive protein)の場合,幸運にも問題は少ないように思われる.
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