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エイズワクチン開発の動向―tat阻害ワクチンの可能性
伊藤 隼夫
1
,
清水 信義
2
1野村光義ガン・エイズ研究財団
2慶應義塾大学医学部分子生物学
キーワード:
HIV
,
エイズワクチン
,
tat阻害ワクチン
,
tat蛋白
Keyword:
HIV
,
エイズワクチン
,
tat阻害ワクチン
,
tat蛋白
pp.347-350
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904033
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HIVおよびエイズに関する世界規模の学会が,昨年1998年には2回,6月にスイスのジュネーブで第12回国際エイズ会議と,8月にワシントンDC効外のバルチモアでIHV (Institute of Human Virology)年次総会が開催された.後者は,HIVの共同発見者である米国メリーランド大学のギャロ教授が主宰しているもので,今年は7日間の日程で25か国から200名の演者,エイズ/HIVの研究者1000名の参加者が集まっての会議であった1,2).いずれの学会でもワクチン開発が主要テーマであった.
1997年5月18日,クリントン大統領はG7首脳に呼びかける形で,エイズワクチンを2007年までに完成させると宣言した3).米国にとって月面着陸アポロ計画に次ぐ地球レベルのプロジェクトとし,世界的大規模な共同研究しか解決方法はないと呼びかけた.それを受けて世界の大手製薬会社およびベンチャー企業が開発戦争に突入している.これにはいくつかの重大な理由があった.
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