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本大会開催地の"みなとみらい"とは何ともすてきな地名だと思う.臨床検査の技術と知識も日本でできたものがどんどん欧米に,またアジアに輸出される時代ではあるが,改めて横浜のこの地で開催されて海の香りとともに希望が胸に溢れる気がする.
中井利昭先生(筑波大学臨床医学系臨床病理学教授)が大会長を務められた本学会は,同時に開催される展示会がアジアでは最大規模を誇るものに成長し,今回も諸外国からの参加者がツアーで来られていると聞き,改めてアジアにおける日本の役割を実感するところがあった.今大会のメインテーマはいささか難解であった.そのテーマとは,"テクノロジーとサイエンスの昇華"である.英語への翻訳では,"New in-sights into medical technologies and sciences-Thepromise and the challenge"とされた.この"学会だより"の中で大会長のご真意をお伝えできるかどうか心もとないが,大会長講演をお聞きし,学会のシンポジウムをはじめとする企画の意図を図るならば,次のようなことを宣言されたように思う.本学会はその主旨として臨床検査における機械と人間の融合による医療への貢献であることは言を待たないが,これまで本学会を中心に進められてきた技術論は今日究極として,搬送システムと情報処理システムに支援された自動分析装置という全体システムが,フルオートメーションの臨床検査室を実現し得るようになり,技術的には高度に上り詰めたものを完成したと言ってよいだろう.一方で,医療環境について考えるならば,医療機能の分担の明確化により国全体における医療システムの体系化が進められ,経済的な考察と併せて制度の変革が行われつつあり,医療機関そのものにとっては"Man-agement science"の発達がますます望まれる時代となってきている.しかし,あくまでもManagementscienceの必要性は医療機関の経営上の生き残りの問題であって,臨床検査というものを考える場合,新しい疾患に対する診断法の確立と治療法の開発と普及は,上に言うフルオートメーション化された検査室の経営の問題とは別個に捉えられなければならない.すなわち,医学における発見と医療における発展はこれからもますます活発に行われるものとして肯定的に捉え,臨床検査はその中にあって,診断と治療に対し正確な情報をさらに提供する必要がある.そのために,サイエンスに裏打ちされた技術の絶え間のない発展が欠かせないというのである.
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