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免疫および発癌と関連する新種の細胞質蛋白質.プラスチン
四宮 博人
1
1愛媛大学医学部細菌学
キーワード:
プラスチン
,
細胞内情報伝達
,
自己免疫
,
発癌
Keyword:
プラスチン
,
細胞内情報伝達
,
自己免疫
,
発癌
pp.1676-1678
発行日 1997年11月15日
Published Date 1997/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903576
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はじめに
プラスチン(plastin)は,筆者ら(マウスプラスチン/PP 65)およびLinら(ヒトプラスチン)によって,それぞれ独立に見いだされた新種の細胞質蛋白質である.すなわち,筆者らはマウスマクロファージを細菌性リポポリサッカライド(LPS)で刺激したときに,細胞内で特異的にリン酸化される65kDa蛋白質(pp 65)を精製し,新種の蛋白質と同定した1~3)).一方,Linらはヒト線維芽細胞を癌化させたときに発癌特異的に細胞内に出現するリン酸化蛋白質を精製,同定し,プラスチンと命名した4)).その後の研究で,プラスチンには三種のイソフォーム(L-プラスチン,T-プラスチンおよびI-プラスチン)が存在することが明らかになっている(表1).
本稿では,L-プラスチン/PP 65が,情報伝達系,発癌,自己免疫という,一見無関係なそれぞれの分野で最近注目を集めていることから,このイソフォームに焦点を絞って最近の知見を述べる.
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