特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅱ.免疫
1.リンパ球サブセット(末梢血・髄液)
松井 真
1
,
荒谷 信一
2
,
黒田 康夫
3
Makoto MATSUI
1
,
Shin-ichi ARAYA
2
,
Yasuo KURODA
3
1佐賀医科大学内科(神経筋)
2大昭製薬(株)研究開発部
3佐賀医科大学内科
pp.1320-1324
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903486
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はじめに
神経疾患におけるリンパ球サブセット検査の意義については,臨床の場での位置づけはいまだ確立していない.その理由の1つは,免疫性神経疾患の代表格である多発性硬化症(multiple sclerosis;MS),ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:GBS),重症筋無力症(myasthenia gravis;MG)などの疾患について報告された末梢血リンパ球でのさまざまな異常が,疾患特異性に乏しいためである.ところが,本検査を病変部局所における疾患活動性のim-muno-monitoringの手段として使用すれば,かなり有益な情報が得られることは,意外に知られていない.本稿では,文献的な事項の紹介にとどまらず,多少の独断が入ることを恐れずに,リンパ球サブセット検査を実施することにより,現時点で何がどの程度までわかるのかを論ずる.
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