特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
2)リンパ球
(1)リンパ球サブセットの検査
佐川 公矯
1
Kimitaka SAGAWA
1
1久留米大学医学部免疫学講座
pp.154-157
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900829
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■膜抗原を利用したサブセットの検査
1)膜抗原とモノクローナル抗体のCD分類
ヒトのリンパ球は非常に多様である.ヒトのリンパ球はいくつもの細胞群(subset,サブセット)によって構成されている.サブセットとは,特定の共通の性格を持った細胞の集団である.したがって,1つのサブセットに属している細胞は,他のサブセットに属している細胞とは性格も機能も異なる.当然,細胞表面に表現されている膜抗原のパターンも異なるはずである.この原則を逆に利用して,膜抗原の違いを測定することによって,リンパ球のサブセットが決められてきた.
これらの膜抗原を識別するための試薬として,細胞融合法を応用して,数多くのモノクローナル抗体が作られてきている.これらのモノクローナル抗体と,抗体が認識するヒト白血球の膜抗原は,国際CD分類によって表示されるようになった.CD分類の中でヒトのリンパ球に関係したものを表61,2に示した.この表6に示したモノクローナル抗体を使って,リンパ球のサブセットが解析される.
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