今月の主題 白血病・最近の進歩
総説
白血病のFAB分類とその問題点
長井 一浩
1
,
朝長 万左男
1
Kazuhiro NAGAI
1
,
Masao TOMONAGA
1
1長崎大学医学部原爆後障害医療研究施設内科治療部門
キーワード:
FAB分類
,
形態診断
,
免疫学的マーカー所見
Keyword:
FAB分類
,
形態診断
,
免疫学的マーカー所見
pp.254-260
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903261
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白血病細胞の系統とその分化度を基盤とする急性白血病のFAB分類は,形態所見に免疫学的マーカー所見を加えた追加改訂を重ねている.病型診断のポイントは芽球の系統の確定と比率の算定であるが,そのためには芽球と分化傾向を持つ細胞との鑑別および特異的免疫学的マーカーの選択が重要である.さらに本分類法をベースに,より生物学的にも臨床的にも明確な細分類を可能にする必要がある.
慢性(成熟)リンパ性白血病の分類も形態とマーカー所見を主軸とするものである.鑑別困難な症例については,各病型の臨床像や染色体,遺伝子所見,予後との関連が大きいので,これらを総合して診断する必要がある.
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