増刊号 血液検査実践マニュアル
Part 3 血球形態検査
3.FAB分類
5)慢性白血病とFAB分類
須永 真司
1
1日立病院内科
pp.782-784
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905458
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慢性リンパ性白血病類縁疾患のFAB分類
末梢血中に成熟リンパ球が増加する腫瘍性疾患としては慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia;CLL)が代表的である.しかし,ひとくちに「リンパ球が増加し,比較的慢性に経過する白血病」とはいっても,腫瘍化したリンパ球の形態は単一ではなく,臨床像も異なっていた.1989年,FABグループは腫瘍細胞の形態と表面形質をもとにCLLの類縁疾患を表1のように整理・分類した1).これらをまとめて慢性(型)リンパ系白血病(chronic lymphoid leukemia)と称する場合もあるが,狭義の“CLL”と混同しやすく,文献を読む際には注意が必要である.
本稿ではFAB分類に沿って腫瘍細胞の形態や表面形質などを中心に概説する.
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