今月の主題 リポ蛋白—最近の知識
リポ蛋白の代謝と役割
中間型リポ蛋白(IDL),低比重リポ蛋白(LDL)
古賀 俊逸
1
1九大第3内科
pp.2374-2375
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208368
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はじめに
カイロマイクロン,超低比重リポ蛋白(verylow density lipoprotein,VLDL),中間型リポ蛋白(intermediate density lipoprotein,IDL),および低比重リポ蛋白(low density lipoprotein,LDL)はアポ蛋白B(アポB)という共通のアポ蛋白を持つリポ蛋白である.アポ蛋白とはリポ蛋白の蛋白部分を指しており,それぞれのリポ蛋白は各々に特有な1〜数種のアポ蛋白を持っており,さらに,そのアポ蛋白はそれぞれのリポ蛋白の構造や代謝を規定する重要な因子となっている.現在,分離,同定されているアポ蛋白にはアポA-I,A-II,B,C-I,C-II,C-III,D,Eなどがある1).カイロマイクロン,VLDL,IDL,LDLなどはアポB含有リポ蛋白と総称することができ,アポBの機能はこれらアポB含有リポ蛋白を形成して体内のトリグリセライド輸送を行うことである.
アポBの欠損症であるところの無βリポ蛋白血症では,これらアポB含有リポ蛋白を形成することができず,脂肪吸収障害や脂肪肝が起こる.
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