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"Managed care"―試練に立つアメリカの医療―第47回米国臨床化学会に参加して
加野 象次郎
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1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
キーワード:
米国の医療保障制度
,
Managed care
,
HMOs
,
DRGs
Keyword:
米国の医療保障制度
,
Managed care
,
HMOs
,
DRGs
pp.82-85
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902805
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1995年7月16日から20日まで,ロスアンゼルス近郊のアナハイムで開かれた米国臨床化学会の第47回大会に参加する機会があり,そこで,"Managed care"という日本ではあまり聞き慣れない言葉が氾濫し,アメリカの医療が大きな変革の波に洗われていることを知った.国の事情も医療保障の制度も日本とは異なるが,決して他岸の火事と捨て置けない問題のようでもあるので,学会を通してみたManaged careについて紹介してみたいと思う.
アナハイムと言えば,アメリカ文化の象徴ともいうべきディズニーランドで有名であるが,会場のコンベンションセンターはそのディズニーランドとは道路1つ隔てたところにある,といっても,それは地図の上でのこと.日本と違って街区の規模がケタ外れに大きいここでは,遥かかなたにマッターホルンマウンテンらしきものが見えて,ミッキーやミニーの世界の存在を知るというわけだ.学会の会期中の17日は,たまたまディズニーランド開設四十周年にあたり,特別に賑わったようで,街には,しばし夢と冒険の世界にひたってきたと思われるhappy familyのほほえましい姿も散見された.梅雨の明けきらぬ東京から飛んでくると,微塵の湿度も感じさせないこの南カリフォルニアの澄みきった青空と溢れんばかりの陽光には,ただただ圧倒されるばかりであった.
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