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イムノアッセイに干渉するイムノグロブリン
橋本 琢磨
1
1金沢大学医学部臨床検査医学講座
キーワード:
自己抗体
,
異型抗体
,
リウマチ因子
,
HAMA
Keyword:
自己抗体
,
異型抗体
,
リウマチ因子
,
HAMA
pp.80-82
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902804
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近年イムノアッセイは,化学発光や蛍光を用いた第3世代の測定法に改良され,感度,精度が著しく向上してきたが,新たな問題が生じてきた.それは異型抗体による測定値への影響である1-3).
これら異型抗体(human anti-murine antibodi-es;HAMA)は種特異性がなく,種々の動物イムノグロブリンと結合するのでなかなか難しい問題である.異型抗体はTSH, LH, FSHなど下垂体ホルモンやCEA, CA 19-9, CA 125などの腫瘍マーカー,さらにHBAb, HBAgなどのウイルス抗体の測定においてしばしばみられる.表1に異型抗体の頻度を示す.報告者によって大きなバラツキがみられるが,それはキットに用いられた動物の違い,さらにキットの品質によるところが大きい.われわれの経験によれば,試薬メーカーの技術が良ければ,HAMAの影響は最小限に抑えることが可能である.例えば,AIA-1200を用いた東ソーのTSHキットは1994年7月の時点ではHAMAの影響を強く受けていた4).しかし,その事実を指摘すると,わずか6か月でHAMAの影響を受けない試薬に改良した(表2).他社のキットは影響を受けるままになっているのに対し,現在市販の東ソーTSHキットはそれがないので安心して使用することができる.
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