特集 酵素による臨床化学分析
酵素利用技術
3.エンザイムイムノアッセイ
宮井 潔
1
1大阪大学,中央臨床検査部
pp.1219-1229
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914922
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はじめに
優れた測定法が開発されると,臨床検査の分野においては飛躍的な発展が期待されるのは言うまでもない.ここで優れた測定法とは,①特異性,②高感度,③良好な再現性,④簡易・迅速性,⑤普遍性などが要求される.その点1959年にBersonとYalowが開発したラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay, RIA)は,抗原抗体反応の特異性を利用し,マーカーとして微量測定が可能なラジオアイソトープ(radioisotope, RI)を用いているため,このような諸条件を満足する優れた測定法であった.
ところが本法にも欠点があり,それは,①RIが減衰するため長期間使用できない,②RI測定用の特殊機器が必要である,③公害防止のためRI汚染物の廃棄が制限されるなどで,特に国土の狭隘な本邦では③が大きな社会問題となっている.ところでこの欠点の主原因はRIを用いていることにある.
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