今月の主題 イムノアッセイ
巻頭言
イムノアッセイ
片山 善章
1
Yoshiaki KATAYAMA
1
1武庫川女子大学薬学部
pp.1599-1600
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101058
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生体試料中の成分濃度は血液100ml中にg,mg,μg,ng,pg,fg,agと千分の一のオーダーずつ低くなる.これらの濃度の成分を,臨床検査において,いわゆる,直接的に化学的な測定が可能な濃度は血中アンモニアや血清鉄などで数十から数百μg/dlである.また,数μg/dlの比色分析としては,現在のように甲状腺ホルモンのT3,T4濃度が測定できなかった30年ほど前は,血漿蛋白と結合しているprotein bound iodine(PBI)を乾性灰化した無機ヨードを化学的に測定して甲状腺ホルモン量としていた.
そのように数μg/dl以下の生体の微量成分濃度をイムノアッセイできる方法として放射免疫測定(radioimmunoassay;RIA)法が開発された.
このRIA法は1959年にBerson and Yallowによりヒト血中インスリンの測定に利用され,免疫測定法に大革命を起こしたといっても過言ではない.その後,RIA法は視床下部・下垂体機能,甲状腺・副甲状腺,副腎髄質・皮質,性腺・胎盤,糖代謝などに関係する低分子,ペプチドホルモンの測定が可能となり,内分泌疾患の診断,治療に大きく貢献したことは周知のとおりである.
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