特集 免疫組織・細胞化学検査
臓器別応用例
7.運動器系
2)骨・関節
野島 孝之
1
,
佐々木 恵子
1
,
平賀 博明
2
Takayuki NOJIMA
1
,
Keiko SASAKI
1
,
Hiroaki HIRAGA
2
1金沢医科大学病院病理部
2北海道大学医学部第二病理
pp.242-246
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902724
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はじめに
成人の骨格は206個の骨から成り,80個の体幹骨と126個の体肢骨に大別される.体幹骨は23個の頭蓋骨と6個の耳小骨,26個の脊柱骨,1個の胸骨,24個の肋骨から成り,一方,体肢骨は上肢と下肢を形成するそれぞれ64個と62個の骨から成る.これらの骨は生きた組織であり,活発な代謝活動を営み,生命現象の維持に不可欠な働きを行っている.骨や関節病変の診断においては,病理組織学的診断が必須であるが,他臓器に比して特殊性があり,常に整形外科医,放射線診断医と臨床情報の交換が必要である.特に,画像から得られる情報は重要で,疾患によっては組織像のみでは誤診をしたり,確定診断に至らない場合が多い.近年,免疫組織化学のめざましい進歩により,組織診断の客観的情報が比較的容易になってきたが,患者の年齢,発生部位や画像所見を併せて免疫染色の結果を判断しないと,誤った診断と治療を引き起こすことにもなる.
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