特集 免疫組織・細胞化学検査
臓器別応用例
7.運動器系
1)軟部
福永 真治
1
Masaharu FUKUNAGA
1
1東京慈恵会医科大学第一病理学教室
pp.235-241
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902723
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はじめに
軟部組織はその構成細胞が多種で,それから発生する軟部腫瘍は当然その発生母地が多岐にわたり組織像も多彩である.日常業務で組織診断に難渋することも多く,良悪性の判定が困難な症例にも少なからず遭遇する.鑑別診断法として従来の種々の特殊染色,電顕的観察に加え免疫組織化学的検索が強力な武器となっている.さらに細胞の形質や分化を把握するのにこの免疫染色は不可欠である.しかし免疫染色が日常業務として比較的簡単に行えるようになったと同時に,その結果の過大評価により組織診断を誤る危険性も少なくない.
本稿では軟部腫瘍および腫瘍様病変の基本的特徴,分類と免疫組織化学的特徴について,また通常のホルマリン固定パラフィン切片で染色可能でかつ現在広く普及ないし普及しつつある代表的なマーカーとその意義と留意点について述べる.
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