症例検討会 骨・軟部腫瘍8例
〔症例2〕上腕骨骨腫瘍
野島 孝之
1
,
井上 和秋
1
,
武田 直樹
2
,
大野 和則
2
,
松野 丈夫
2
1北海道大学付属病院病理部
2北海道大学付属病院整形外科
pp.718-720
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907880
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例:19歳,女性
臨床経過:昭和61年10月頃,左上腕部痛と腫脹が出現し,北大整形外科を受診した.X線上,左上腕骨近位端,骨幹端から骨幹部にかけて,骨外性に膨隆する硬化像を認めた.骨皮質は肥厚し,骨膜反応をみるが,spiculaやsun-burst状の変化はみられない(図2-1).血管造影ではtumor stainは,はっきりせず,またCTスキャンでは,骨外性に辺縁不規則な硬化像を認めた.11月6日に生検がなされ,11月27日に左上腕骨の広範囲切除術,血管柄付腓骨移植による肩関節固定術を施行した.手術材料は肉眼的には,骨幹端から骨幹部にかけて8×3cmの灰白色,骨様硬の腫瘍がみられる.骨皮質は骨膜反応を伴い,肥厚を示すが,周囲の結合織への腫瘍浸潤はみられない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.