特集 免疫組織・細胞化学検査
臓器別応用例
2.呼吸器系
2)炎症性肺疾患
玉井 誠一
1
Seiichi TAMAI
1
1防衛医科大学校検査部
pp.153-158
発行日 1995年10月30日
Published Date 1995/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902697
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はじめに
鼻腔などの上部気道を経て気管支・肺胞などに至る呼吸器系は,大気と常に直接接しており,しかも,皮膚のような厚い保護の膜に覆われておらず,飛沫に含まれるウイルスや細菌などの病原微生物,亜硫酸ガスなどの刺激性ガス,あるいは粉塵中の各種抗原物質などの侵襲により容易に障害を受ける.実際,健康人でも"風邪をひく"ことに代表されるように,炎症性の呼吸器疾患は罹患率の比較的高い疾患である.
侵襲による障害は気管・気管支樹から成る気道の粘膜の炎症にとどまることが多いが,気道の炎症の波及あるいは侵襲因子の直接的な障害によりその末端にある肺胞領域の炎症を引き起こすこともある.
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