研究
クリオスタットによる新鮮凍結切片の各種特殊染色について
鈴木 祐鳳
1
,
柳川 弘
1
,
中野 寿子
1
,
大島 一洋
1
,
赤木 郷
2
1徳島大中検
2徳島大第2病理
pp.516-520
発行日 1975年5月15日
Published Date 1975/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908972
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はじめに
凍結切片による術中の迅速診断は,短時間に正確な診断を,臨床医に報告する関係上,良い標本を作ることが第一条件である1).クリオスタットは,従来のザルトリウス型ミクロトーム法に比べ,標本作製に熟練を要せず,短時間に美麗な標本が作れるため,術中,および試験切除材料の迅速診断に広く利用されている2,3).また,Ibanezら4),Klionskyら5),およびNunnallyら6)は,これを剖検材料にも応用し,その成果を報告している.そこで我々は手術材料および剖検材料より,クリオスタットによる新鮮凍結切片(以下凍結標本と略)を作り,これに日常検査室で多用されている特殊染色を施し,パラフィン切片標本(以下普通標本と略)との比較検討を行った.その結果,凍結標本でも普通標本とほとんど変わらない組織像と染色性が得られ,試験切除材料および手術材料の迅速診断の目的に,十分利用できることを認めたのでその成績を報告する.
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