最近の検査技術
ディスク電気泳動法
佐野 紀代子
1
1東京医科歯科大病院中検
pp.368-374
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201358
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ディスク電気泳動(disc electrophoresis)は,ポリアクリルアミドゲルを支持体とする電気泳動法のひとつで,Ornstein1)とDavis2)によって創案された方法である.セルローズアセテート膜電気泳動では通常5分画にしか分画されないヒト血清タンパクは,ディスク電気泳動では20〜30の成分に分画される(図1).この泳動像からディスク電気泳動が極めて優れた分離能を示すことが分かっていただけたと思う.
なぜこのような優れた分離能を示すのであろうか?それは2つの特徴を兼ね備えているためである.ひとつには支持体であるポリアクリルアミドゲル自身の特徴,そしてもうひとつの重要な特徴は,タンパクをまず数十μの薄層に濃縮した後,電気泳動による分離が起こるよう工夫してあるディスク電気泳動独特の方法のためである.
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