トピックス
慢性関節リウマチと抗カルパスタチン抗体
三森 経世
1
1慶鷹義塾大学内科
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
カルパスタチン
,
カルパイン
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
カルパスタチン
,
カルパイン
pp.966-967
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902577
- 有料閲覧
- 文献概要
1.カルパスタチンとは
カルパスタチン(calpastatin)とは,カルシウム依存性中性プロテアーゼの一種であるカルパイン(calpain)の特異的内在性阻害因子である.カルパインはカルパスタチンとともに哺乳動物細胞の細胞質内に普遍的に存在し,細胞内酵素(プロテインキナーゼCなど),細胞内細線維(ニューロフィラメント,ビメンチンなど),受容体蛋白(ステロイド受容体など)を基質として分解し,細胞の情報伝達や分化,増殖などに関与するものと考えられている.ヒトカルパスタチンは673アミノ酸残基から成り,推定分子量72,000の蛋白として合成されるが,SDS-PAGEではアミノ酸組成の特殊性から見かけ上110kDaに泳動される.構造的にはN末端のLドメインと,カルパイン阻害活性を持ち構造の類似するⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳの4つのドメインから構成される.
筆者らは慢性関節リウマチ(RA)を中心とするリウマチ疾患に,抗カルパスタチン抗体が検出されることを初めて見いだしたので,ここに紹介しておきたい.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.