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結合型PSAと遊離型PSA
塚田 敏彦
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1虎の門病院臨床化学検査部
キーワード:
前立腺特異抗原
,
結合型PSA
,
遊離型PSA
,
前立腺癌
,
血中存在様式
Keyword:
前立腺特異抗原
,
結合型PSA
,
遊離型PSA
,
前立腺癌
,
血中存在様式
pp.592-594
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902484
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1.はじめに
PSA (prostate specific antigen;前立腺特異抗原)は前立腺上皮細胞から分泌される33kDaのセリンプロテアーゼで,精液中に多量に含まれ,射精直後の凝塊を融解させる働きを持つ.血清PSAは,前立腺癌(PCa)の唯一の早期診断マーカーとして広く測定されているが,癌特異抗原ではないので良性前立腺肥大症(BPH)でも高値を示すため,偽陽性やカットオフ値が問題となっている.
そこで近年,PSAの血中存在様式と疾患との研究が注目されている.つまり,血清中ではPSAの大部分はセリンプロテアーゼインヒビターとイオン結合して複合体として存在する.主にα2-マクログロブリン(α2M),α1「アンチキモトリプシン(ACT)との結合型(complex)および遊離型(free)の3種で,その他少量だがα1-インタープロテアーゼインヒビターとも複合体を形成している.そのうち臨床上重要なものは免疫活性を有し,市販PSA測定キットで測定可能な約100kDaのACT-PSA結合型(complex PSA)と遊離型PSA (free PSA)である.
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