学会だより 第17回日本血栓止血学会総会
各会場で議論白熱の二日間
石井 秀美
1
1帝京大学薬学部臨床生化学
pp.438
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902438
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現在のわが国における死亡原因を疾患別に見ると,第1位は悪性腫瘍(癌),2位は心疾患そして3位は脳血管異常である.しかし2位の心疾患の多くが心筋梗塞であることや,3位の脳血管異常の多くが脳梗塞や脳出血であることを踏まえ,死亡原因を病態学的に分類すると血栓症および出血素因が1位となる.日本血栓止血学会ではこのような血栓症や出血異常を予防し治療するための研究成果を発表し討議している.
第17回日本血栓止血学会学術集会は1994年11月24,25日の両日,千葉市幕張メッセ国際会議場で風間睦美先生(帝京大学第一内科教授)を会長に開催された.本学術集会には約850名の医師,研究者,技師が参加し,一般演題180,特別企画の演題6題が発表された.本学会は症例報告などにとどまらず,止血機構や血栓症および出血素因の病態を先端的な生化学的解析法を用いて解析した報告が多いのが特徴で,本学術集会でも血小板,血液凝固因了,線溶系,血管壁およびこれらの境界領域の最新研究成果が発表された.
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