今月の主題 超音波検査―最近の進歩
話題
泌尿器領域のコントラスト法
石橋 忠司
1
Tadashi ISHIBASHI
1
1東北大学医学部放射線科
キーワード:
超音波造影
,
泌尿器領域
,
コントラストエンハンストUS
,
indeterminate renal masses
Keyword:
超音波造影
,
泌尿器領域
,
コントラストエンハンストUS
,
indeterminate renal masses
pp.1318-1319
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902278
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1.はじめに
1968年Gramiakが末梢静脈からの超音波造影を示唆して以来,心大血管系の超音波造影を中心に熱心な研究がなされてきたが,CT,MRIをはじめとする放射線医学の造影検査の占める重要性と比較して,超音波検査での造影法の開発,意義はいまだに十分とはいえない.これは,ヨード造影剤などとは異なり,安定した薬剤として経静脈的に投与できないからである.多くの超音波造影剤では肺の毛細血管を通過できず,左心系やその末梢の臓器の造影ができないのである.現在開発治験中の超音波造影剤(galactose/fatty acidentrapped microbubble=Levovist)もカラードプラ用であり,泌尿器科領域での充実性臓器の造影には不十分と考えられている.
現在使用可能な方法は,肝臓で行われるようになった経カテーテル的に炭酸ガスのmicrobub-buleを用いて造影する方法1,2)である.われわれが1992年北米放射線学会(RSNA)でこの領域でいちはやく報告して以来,最近,腎臓,膀胱でも使用されるようになってきた.この超音波造影の方法と結果ならびに症例を提示する.
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