特集 ホルモンと生理活性物質
各論
10.消化管ホルモン系
1) GRP, GIP,ガストリン
中田 裕久
1
,
千葉 勉
1
Hirohisa NAKATA
1
,
Tsutomu CHIBA
1
1神戸大学医学部老年医学講座
pp.195-197
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902223
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生合成・分泌・機能
1.生合成
gastrin releasing peptide (GRP),gastric inhibi-tory polypeptide (GIP)およびガストリンは,いずれもペプチドホルモンであり,シグナルペプチドを含むプレプロGRP,プレプロGIPおよびプレプロガストリンとしてそれぞれの遺伝子のmRNAより細胞質で合成され粗面小胞体に入る.GRPではalternativesplicingによって3種のmRNAが存在し,C末端の構造が少し異なる3種のプレプロGRPが合成される.粗面小胞体においてシグナルエンドペプチダーゼによりシグナルペプチドが切断され,プロGRP,プロGIPおよびプロガストリンとなる.ゴルジ装置を経て分泌顆粒内に移行する間にC末端のアミド化を含むさまざまなプロセッシングを受け活性型のペプチドホルモンが完成する.
活性型GRPは27または10アミノ酸,活性型GIPは42アミノ酸から構成される.ガストリンでは71アミノ酸から成るガストリン71(G71)をはじめとして,G52, G34(big gastrin),G17(little gastrin)が生成する.G17は血中へ分泌された後G14(mini gas-trin)およびG6に転換されると考えられている.血中ではG34が約2/3でG17が約1/3であるが,生理活性はGl7が最大である.
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