今月の主題 消化管ホルモンの基礎と臨床
エンサイクロペディア
ガストリン
石森 章
1
,
中目 千之
1
1東北大第3内科
pp.2206-2209
発行日 1979年12月10日
Published Date 1979/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216312
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化学構造,分子量
生体内におけるガストリンの存在様式は,heterogeneityすなわち複数の形をとることが知られており,分子量の大きい順にならべると,bigbig gastrin(Yalowら),component-I(Rehfeldら),big gastrin(G-34),little gastrin(G-17),minigastrin(G-14)などに分類される.このうち,生物学的活性,分子量が判明しているものは図1のように,big gastrin,little gastrin,minigastrinの3種類であり,C末端より数えて6番目のTyr基が硫酸エステル化されるか否かにより,それぞれⅡ,Iと命名される.
17個のアミノ酸より構成されているlittle gastrinは,分子量が2096(HG-17-I)であり,これらの中で最も強い生物学的活性を有し,その作用はC末端の4個のアミノ酸により発現される.big gastrinは34個のアミノ酸から成り,分子量は3839(HG-34-1)で,C末端の17個のアミノ酸配列はlittle gastrinのもつ生物学的活性の大部分を有する,minigastrinは14個のアミノ酸から成り,分子量は1647で,その生物学的活性は胃酸分泌を指標とした場合,little gastrinの約半分といわれる.
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