特集 ホルモンと生理活性物質
各論
7.副腎髄質ホルモン系
3) VMA, HVA
金子 道夫
1
Michio KANEKO
1
1筑波大学医学専門学群臨床医学系小児外科
pp.150-152
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902205
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生合成・分泌・機能
バニルマンデル酸(vanilmandelic acid;VMA),ホモバニリン酸(homovanillic acid;HVA)はカテコールアミンの尿中分解産物である.カテコールアミンの生合成・分泌などの詳細については7.1)(146ページ)を参照されたい.
カテコールアミンはチロシン→ドーパ→ドーパミン→ノルエピネフリン→エピネフリンの順で合成されて行く.これらカテコールアミンの分解経路はいくつかあるが,主要な代謝の様式として,カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)により,カテコールがメチル化されてメトキシとなり,またモノアミンオキシダーゼ(MAO)により,アミノ基が酸化されて代謝される.交感神経節や副腎髄質にはこれらのカテコールアミン分解酵素が含まれ,分泌顆粒はこれらの酵素によるカテコールアミンの分解を防ぐ働きがある.COMTは肝,腎細胞の細胞質に特に多く含まれ,2価の陽イオンとメチル基供給源としてS-adenosylmethionineを必要とする.流血中のカテコールアミンはこの酵素で代謝され,生理学的に不活性なメチル体になる.
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