特集 ホルモンと生理活性物質
各論
7.副腎髄質ホルモン系
2)メタネフリン2分画
中井 利昭
1
Toshiaki NAKAI
1
1筑波大学医学専門学群臨床医学系臨床病理学
pp.148-149
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902204
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生合成・分泌・機能
1.生合成・分泌・代謝
メタネフリン2分画,すなわちメタネフリン(metanephrine),ノルメタネフリン(normetane-phrine)は,それぞれアドレナリン,ノルアドレナリンの中間代謝産物である(アドレナリン,ノルアドレナリンの生合成過程については,カテコールアミンの項を参照).
低血糖,出血そのほかさまざまのストレスに対応して,副腎髄質から分泌されたカテコールアミン(アドレナリン,ノルアドレナリン)は,血管系,肝臓などに多く存在するCOMT (カテコール―O―メチルトランスフェラーゼ)によりメチル化を受け,中間代謝産物のメタネフリン,ノルメタネフリンとなる.これはさらにMAO (モノアミンオキシダーゼ)により酸化を受け,VMA (バニルマンデル酸)や3―メトキシ-4―ヒドロキシ―フェニルエチレングリコール(MOPEG)となる.また交感神経から分泌されたノルアドレナリンは,大部分(80~90%)は再び交感神経終末に取り込まれ,不活化すなわちMAOにより酸化的脱アミノ化を受け3,4―ジヒドロキシマンデリックアルデヒドとなり,さらに3,4―ジヒドロキシマンデル酸(DOMA),3,4―ジヒドロキシフェニレングリコール(DOPEG)になる(図1).
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