特集 ホルモンと生理活性物質
各論
6.副腎皮質ホルモン系
3)アルドステロン
𠮷見 輝也
1
Teruya YOSHIMI
1
1浜松医科大学第2内科
pp.125-129
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902195
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生合成・分泌・機能
生体内に分泌される最も強力なミネラロコルチコイドはアルドステロン(aldosterone)で,副腎皮質の球状層でのみ生合成される.生合成の過程で生じる18ヒドロキシコルチコステロン,コルチコステロン,デオキシコルチコステロン(DOC)や,グルココルチコイドのコルチゾールにもミネラロコルチコイド作用が認められる.18ヒドロキシコルチコステロンとアルドステロンは,球状層で合成されアンギオテンシンにより分泌調節を受けるが,コルチコステロン,DOC,コルチゾールは索状層で合成されACTHによって分泌調節を受けている1).アルドステロンは腎臓でのNa吸収作用が最も強力で,生体内で体液量の保持と血圧の調節に主要な役割を演じている.アルドステロン以外のミネラロコルチコイドも,病的状態では過剰に産生されてミネラロコルチコイド過剰症を発症し,レニン―アンギオテンシン系が抑制されるため,アルドステロンの分泌は低下する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.