特集 ホルモンと生理活性物質
各論
1.視床下部ホルモン系
4) GH-RH
高原 二郎
1
,
佐藤 誠
1
Jiro TAKAHARA
1
,
Makoto SATO
1
1香川医科大学第1内科
pp.69-71
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902176
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生合成・分泌・機能
1.生合成
GH-RH (growth hormone-releasing hormone)は主として視床下部の弓状核に存在するGH-RHニューロンで産生され,視床下部ホルモンとして生理作用を発揮するが,中枢以外においても胎盤や精巣で産生されることが最近知られている.GH-RH遺伝子は5つのエキソンから成り,全長は約10kbに及ぶと考えられている.
GH-RHの生合成は,他のペプチドホルモンと同様にGH-RHニューロンの核内においてGH-RH遺伝子から転写されたRNAが,スプライシング機構によりイントロン部分が除かれ,約750塩基のGH-RH-mRNAが産生されることから始まる.GH-RHmR-NAから翻訳された107個あるいは108個のアミノ酸残基からなるプレプロGH-RHは,N端側から30個のシグナルペプチドが除かれてプロGH-RHとなる.プロGH-RHは蛋白分解酵素の作用によって,C端側30個のアミノ酸(GCTP)が除かれ,GH-RH (1-45)となり,さらにC端側のグリシンが除かれてアミド化され最終的に生理活性を有するGH-RH (1-44)NH2となる.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.