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ヒトチオレドキシンー成人T細胞白血病由来因子
笠原 靖
1
1富士レビオ(株)中央研究所
キーワード:
共通配列
,
酸化ストレス
,
免疫測定法
Keyword:
共通配列
,
酸化ストレス
,
免疫測定法
pp.1204-1205
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902150
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1.はじめに
チオレドキシン(thioredoxin;Tx)は,大腸菌から高等動物に至るまで広く保存されているSH基を有する酸化還元蛋白質で,ヒト型は1988年,B細胞株からWollmanら1)によりクローニングされた.一方,HTLV-I(human T lymphotropic virus type I)産生株からインターロイキン2レセプターα鎖(IL-2 Rα)の誘導物として単離されていた成人T細胞白血病由来因子(ADF;ATL-derived factor)がある.これが1989年にT細胞株(ATL-2)からクローニングされ,チオレドキシンと同一分子であることが判明した.
Tx/ADFとは分子量約12,000のペプチドで,由来により20%前後配列に相違が認められるが,2つのシステイン間にグリシンとプロリンを挟んだ特徴的な共通配列(-Cys-Gly-Pro-Cys-)を有し,2つのシスチン残基が酸化還元作用に関与している.
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