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特集② 知っておきたい血液内科の知識―専門医の診方・治し方
成人T細胞白血病
Adult T-cell leukemia
野坂 生郷
1
,
麻生 範雄
2
Kisato Nosaka
1
,
Norio Aso
2
1熊本大学医学部附属病院がんセンター
2埼玉医科大学国際医療センター造血器腫瘍科
pp.270-276
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102765
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POINT
●成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia/lymphoma:ATL)は,ヒトT細胞白血病ウイルスタイプ1型(human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)の感染により惹起されるCD4陽性T細胞リンパ腫である。
●レトロウイルスHTLV-1は,九州をはじめとした西南日本に感染者が多く,感染経路は主に母乳感染である。
●ATLの症状は多彩であり,末しょう血液中の異常リンパ球の出現,リンパ節腫脹,高カルシウム血症,皮膚病変をはじめ,さまざまな臓器に病変を起こす。
●ATLの臨床病型のうち,くすぶり型,予後不良因子がない慢性型は経過観察をし,急性型,リンパ腫型,予後不良因子がある慢性型が治療適応である。
●予後不良なATLでは,多剤併用化学療法を基本に,抗CCR4抗体や同種造血幹細胞移植を組み合わせた総合的な治療戦略の確立が必要である。
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