今月の主題 臨床検査の効率性をめぐって
検査機関のリストラクチャリング
国立病院の共同施設利用
和知 勤
1
,
梅枝 孝之
2
Tsutomu WACHI
1
,
Takayuki UMEEDA
2
1元国立療養所近畿中央病院第一研究検査科
2国立療養所近畿中央病院
キーワード:
医療機器の共同利用
,
地域完結型医療
,
集約処理
Keyword:
医療機器の共同利用
,
地域完結型医療
,
集約処理
pp.1025-1029
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902095
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従来の自施設だけで処理する"自己完結型"医療制度のもとで育まれた臨床検査業務は,先の終戦後に始まった科学技術の発展に伴う医療技術の驚異的な高度化,多様化と医療事情の急速な変貌に対応する医療の多様化,高額化に伴って急成長を遂げた.慢性疾患患者のみを扱ってきた国立療養所においては,要員的にも設備的にも劣勢下で急速に訪れた高度化医療への対応には限度があった.貧しさゆえの発想の転換から,大型自動分析装置を用いて地域の国立療養所間での共同利用思考が生まれた.試行を経て,現在では,臨床検査機器の共同利用は全国的規模での拡大を示している.この企画は,投資効率,省力効果,経済効率,情報の整合性確立などの利点の反面,共同利用型臨床検査システム推進上,越えなければならない問題点もある.1986年以降台頭した"地域完結型"医療体制への変革気運に添うもので,将来型システムの先取りと言える.〔臨床検査38:1025-1029,1994〕
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