特集 チェーンホスピタルとは
チェーンホスピタルと今後の医療—ビジネスとしての医療を考える
病院の共同利用と業務分担
若松 栄一
1
1日本公衆衛生協会
pp.834
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206982
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米国の病院では10年くらい前からshared service(共同利用)という考え方が急速に広がって来た.シカゴにChicago Hospital Councilというのがある.役所くさい名前であるが,実は純然たる民間協同組合である.この組合には150の病院が加入して共同運営している.医用機材,X線フィルム,医薬品から給食材料や事務用品に至るまで400種類の物品を共同購入して12%のコストダウンを達成したという.20の病院が2つの洗濯工場を使って経費の節減を図っている.またコンピュータを共同利用して病棟管理,料金計算から在庫管理,給料計算などを行っている.
上記のような大規模の組織が全米に数十数えられているが,小規模の共同事業は無数といってよいだろう.1971年にノース・ウェスタン大学が行った調査では,全米5,727の地域病院にアンケート調査表を送り,82.5%の回答が得られたが,その結果共同事業をやっている病院は3,147(66.6%)であったという.一病院平均6.2項目であったが,最も多い項目は共同購入事業であり,血液銀行やコバルト60,腎透析の共同利用や救急医療のラジオネットワークや心電図の遠隔解析などもある.
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