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ローピーコロイド
広川 満良
1
1川崎医科大学病理学
キーワード:
ローピーコロイド
,
ropy colloid
,
甲状腺
,
乳頭癌
,
穿刺吸引細胞診
Keyword:
ローピーコロイド
,
ropy colloid
,
甲状腺
,
乳頭癌
,
穿刺吸引細胞診
pp.838-839
発行日 1994年7月15日
Published Date 1994/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902043
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近年,穿刺吸引細胞診は甲状腺疾患,特に悪性腫瘍の術前診断には欠かせない手法となっている.この理由の1つに,生検とほぼ同程度の診断精度を持つことが挙げられるが,その背景には甲状腺の悪性腫瘍のほとんどを占める乳頭癌が数多くの細胞診学的特徴を有しているため組織型の判定が比較的容易であるという事実がある.乳頭癌のよく知られている細胞診学的特徴として,乳頭状集塊,スリガラス状核クロマチン,核内細胞質封入体,核溝,砂粒体などがある.ローピーコロイド(ropy colloid)もまた乳頭癌の細胞診学的特徴の1つであるが,わが国ではほとんど知られていないのが現状である.
ローピーコロイドとは,甲状腺乳頭癌の穿刺吸引材料中に出現する棒状に伸びた粘稠なコロイド1)のことである.その形態がチューインガムを引き伸ばした形に似ていることから,bubblegum colloidという名称でも親しまれているが2),そのほかcolloid strings, ropy strand, viscouscolloid, sticky colloid, cord-like colloid,abnormal colloidなどいろいろな形容がなされている.わが国ではこれらに対応する一定の邦訳がないため,本稿では最初に指摘したWillemsとLowhagen1)の言葉を採用してローピーコロイドとして紹介する.
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