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白血球粘着異常症(タイプⅠとタイプⅡ)
小林 邦彦
1
1北海道大学臨床検査医学
キーワード:
白血球粘着異常症
,
インテグリン
,
セレクチン
Keyword:
白血球粘着異常症
,
インテグリン
,
セレクチン
pp.473-475
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901945
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1.はじめに
白血球には細胞間接着を介して発現する機能がある.好中球やマクロファージが組織上を遊走する機能(走化能)はこの細胞間接着に起因する.細胞間接着は細胞膜上に発現する接着分子(レセプター)とそのリガンド分子(カウンターレセプター)間の可逆的結合で始まるのであるが,この細胞接着に関与する分子群は近年多数同定されている.このうち主に白血球の接着にかかわる分子として,インテグリンファミリー,免疫グロブリンファミリーおよびセレクチンファミリーなどの接着分子とそれぞれに対応するリガンドが知られる.
白血球粘着異常症(leukocyte adhesion de-ficiency;LAD)は本来インテグリンファミリーの1つであるβ2インテグリン(LFA-1, Mac-1, p150,95の3分子からなる)の白血球膜上での欠損に対して名付けられた疾患であるが1),最近セレクチンのリガンドの欠損でこれと臨床的に酷似する疾患が報告されたため,前者をLADのタイプI,後者をタイプIIと1呼ぶことが提唱されている2).両疾患とも反復する非膿瘍性細菌性皮膚感染,肺炎,中耳炎や持続する歯肉炎,歯根炎など臨床的に無顆粒球症に似た症状を呈するにもかかわらず,末梢血中で好中球を主体とする白血球数の異常高値(数万から十数万/mm3)がみられるのが特徴である.
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