編集者への手紙
リポソームと蛍光指示薬HPTSを用いたリソソーム内pH測定の検討
庄野 正行
1
,
吉村 哲朗
1
1徳島大学医学部総合研究室形態班
キーワード:
腹腔マクロファージ
,
リポソーム
,
HPTS
Keyword:
腹腔マクロファージ
,
リポソーム
,
HPTS
pp.378-379
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901920
- 有料閲覧
- 文献概要
従来からリソソーム内pHが酸性であることは,ほとんどのリソソーム酵素の至適pHが酸性にあることから推察されてきた.これは,以前には,リソソームにpH指示薬を取り込ませてその色調で確認されてきた.しかし,この方法ではリソソームへの蓄積度が低く,色調の変化が見にくいために,リソソーム内pHは3~6といった幅広い報告がされていた.
そこで感度が良く,かつ正確に生細胞のリソソーム内pHを測定する方法を開発する必要がある.今回,多数のpH蛍光色素の中からHPTS (8-hydroxy-1, 3, 6-pyrenetrisulfonate)を用いたのは,pHに依存して蛍光スペクトルが変化する数少ない物質の1つであり,しかもその範囲がpH4~8なのでリソソーム内pHの測定には最適であるからである1).pH変化に伴って蛍光強度が変化するHPTS溶液は,380 nmと450nmの蛍光強度の比により,pHの標準曲線が得られることは以前から知られている2).この理論を基礎にして検討した.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.