目でみる症例―検査結果から病態診断へ・8
LDH,M(A)サブユニット変異(M'変異)の一例
須藤 加代子
1
,
池田 清子
2
Kayoko SUDO
1
,
Kiyoko IKEDA
2
1東京慈恵会医科大学第三病院臨床検査医学
2東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部
pp.911-914
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901648
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検査結果の判定
図1―AはタイタンⅢを支持体としたLDHアイソザイム像であり,上段のコントロールに比べ,2,3,4,5型が幅広く泳動されている.特に5型が幅広く,4型との間が狭くなっているように観察された.総活性は480IU/lとわずかに上昇しており,各分画の割合は1型19%,2型33%,3型28%,4型15%,5型5%と4型がわずかに上昇しているが,ほぼ正常と考えられた.これらの結果から,日本では秋田県の6,047名,兵庫医大の57,630名のスクリーニングでも検出されていない,きわめてまれなM′バリアントである可能性が示唆された1).
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