目でみる症例―検査結果から病態診断へ・6
Ⅲ型高脂血症とアポEアイソフォーム
久保 信彦
1
,
櫻林 郁之介
2
Nobuhiko KUBO
1
,
Ikunosuke SAKURABAYASHI
2
1自治医科大学大宮医療センター検査部
2自治医科大学大宮医療センター総合医学講座Ⅰ
pp.675-677
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901572
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●検査結果の判定●
アガロースゲル電気泳動法により血清リポ蛋白分画を行った.図1に血清リポ蛋白分画像を示した.アガロースゲル膜の原点に塗布した血清を電気泳動法により展開して脂質染色した所見では,陰極側からβ,preβ,αのリポ蛋白の分画が出現する.これらはそれぞれLDL,VLDL,HDLリポ蛋白に対応している.図1に示した検体では,対照検体と比較してpreβ~β分画が増加しており,しかも幅広いパターンが均一に認められる.これはbroadβと呼ばれており,著明に増加したβVLDLに対応している.LDLは減少している.この所見はIII型高脂血症に特徴的な所見である.
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