今月の主題 血清リポ蛋白の異常
血清リポ蛋白異常症
Ⅲ型高脂血症
山内 喜夫
1
1慶應義塾大学医学部・内科
pp.808-809
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217739
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Ⅲ型高脂血症は,血清コレステロール,トリグリセライドの増加を認め,電気泳動上β-mobilityを有する特殊なVLDL(β-VLDL,floating β lipoprotein)の増加を示し,その幅広い泳動帯よりbroad β diseaseとも呼ばれる高脂血症である.1967年Fredrickson1)が報告して以来,臨床症状,診断,遺伝様式などの検索とともに,リポ蛋白そのものの詳細な検討も徐々に行われ,その病態が解明されつつある.
本症は,甲状腺機能低下症,SLE,糖尿病などの疾患に伴う場合があり,これを二次性Ⅲ型高脂血症と呼ぶが,一般にⅢ型高脂血症という場合は一次性,すなわち家族性Ⅲ型高脂血症を指し,本稿では後者を中心に述べることとする.
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