学会だより 第8回日本環境感染学会総会
社会的注目を集め参加者激増
菅野 治重
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.590
発行日 1993年6月15日
Published Date 1993/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901553
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第8回日本環境感染学会総会は,川名林治会長(岩手医科大学細菌学講座教授)のもとに,1993年2月19~20日,笹川記念会館(東京都)において開催された.最近,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を代表として,院内(病院)感染の問題が社会的にも大きな関心を集めており,院内感染防止対策を主要な研究課題として設立された本学会には,会員のみならず,院内感染に取り組む多くの関係者の期待が集められている.今回の総会には例年を大きく上回る1,000名を越える参加者があり,院内感染の問題の深刻さを象徴していた.
本総会のプログラムで,特に関心を呼んだ企画として,Ms.Patricia Lynch (Harbourview Medical Cen-ter, USA)による"米国におけるInfection Control Nurse(ICN)の役割",Dr.Barry Cookson(Center Public Health Services, UK)による"英国における病院(院内)感染対策(MRSAなど)"の2題の招請講演が挙げられる.院内感染の問題では明らかに開発途上にある日本としては,この問題の先進国における院内予防対策の実状を知ることは,今後日本における対応を考えるうえで大変有益であり,時宜を得た企画と思われた.
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