今月の主題 大腸疾患と検査
解説
大腸癌と遺伝子変化
井藤 久雄
1
,
田原 榮一
1
Hisao ITO
1
,
Eiichi TAHARA
1
1広島大学医学部病理学第一教室
キーワード:
大腸癌
,
遺伝子変化
,
多段階発癌
Keyword:
大腸癌
,
遺伝子変化
,
多段階発癌
pp.518-521
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901079
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正常大腸粘膜から腺腫を経て大腸癌が発生する過程においては染色体5q (APC遺伝子)の欠失,K-rasの点突然変異さらに18q (DCC遺伝子),17p (p53遺伝子)の欠失が蓄積される.家族性大腸腺腫症ではAPC遺伝子変異が優性遺伝するため,大腸粘膜は生下時から増殖活性状態にある.K-ras点突然変異は浸潤癌よりも高異型度腺腫において頻度が高い.K-rtzs点突然変異からみる限り,de novo癌は60%以上と見積もられる.
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