特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
3.自己免疫疾患と検査
21)原発性胆汁性肝硬変
西岡 幹夫
1
Mikio NISHIOKA
1
1香川医科大学第三内科
pp.323-325
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900895
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はじめに
原発性胆汁性肝硬変(PBC)は主として中等大の小葉内胆管の慢性炎症性疾患で,40~60代の女性に好発し,徐々に進行する予後の悪い疾患である.本疾患では各種自己抗体が陽性で,また,しばしば多彩な自己免疫性疾患を併発する1)など,自己免疫性疾患としての特徴をもっ.
最近の調査によれば,皮膚掻痒や黄疸など肝疾患を思わせるような自覚症状を持たないPBC,つまり無症候性PBC (a-PBC)が存在し,本症の発症頻度は症候性PBC (s-PBC)とほぼ同等,またはやや高い.PBCの臨床経過は個々の患者によって著しく異なり,さらに,一般的にPBCの予後は,従来考えられていたほど悪くない2,3).したがって,PBCの診断や治療に対する考え方も変わりつつあるのが現況といえよう.
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