特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
3.アレルギー疾患と検査
5)呼吸器アレルギー
(2)過敏性肺(臓)炎
鈴木 直仁
1
,
大田 健
1
Naohito SUZUKI
1
,
Ken OHTA
1
1東京大学医学部物療内科
pp.121-124
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900822
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
過敏性肺(臓)炎(hypersensitivity pneumonitis)は,有機粉塵の反復吸入によって感作され,免疫学的機序によって発症する間質性肺炎1)で,外因性アレルギー性胞隔炎(extrinsic allergic alveolitis)と呼ばれることもある.古くは農夫肺(farmer's lung),サトウキビ肺(bagasscosis)など職業病として報告され,その後鳥飼病(bird fancier's lung),空調病(air conditionerdisease)など職業に関係ない病態も知られるようになって,本症は稀な疾患ではないことが明らかになってきた2).また,原因物質も種々のものが知られるようになり,有機粉塵のみでなく,一部の無機低分子化合物(イソシアネートなど)も本症を惹起しうることが知られてきた.
表21に,現在知られている主な過敏性肺臓炎の種類と推定原因物質3)を示す.わが国では,夏に好発し,しばしば家族内発生を示す夏型過敏性肺臓炎が最も多く,全症例の約3/4を占めていることが特徴である.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.