今月の主題 血管炎とその臨床
血管炎を伴う諸疾患
過敏性血管炎
相澤 好治
1
1慶大内科
pp.2062-2064
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216278
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過敏性血管炎とは
1866年にKussmaulとMaierがperiarteritisnodosa(PN,結節性動脈周囲炎)を初めて詳細に発表した後,感染症に対する血清療法の普及とともに,これらに対する過敏反応によりPNと同様の症状を呈する症例の報告が相次いだ.薬剤による血管炎は組織学的にPNの病変より末梢の小動脈が侵されることから"microscopic polyarteritis nodosa"とも称せられ,PNの概念に混乱がみられるようになった.1953年,Zeek1)はその混乱を防ぐため,フィブリノイド変性と炎症を伴う血管病変をnecrotizing angiitis(壊死性血管炎)と呼び,①hypersensitivity angiitis(HA,過敏性血管炎),②allergic granulomatous angiitis(アレルギー性肉芽腫性血管炎),③rheumatic arteritis(リウマチ性動脈炎),④periarteritis nodosa,⑤temporal arteritis(側頭動脈炎)の5型に分類した.
Zeekの記載したHAは,サルファ剤などの薬剤に対する過敏反応で発症し,組織学的に内臓,結合組織,皮膚の最小分枝動静脈,毛細血管の急性,壊死性炎症を特徴とする.
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