特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
3.アレルギー疾患と検査
5)呼吸器アレルギー
(3)PIE症候群
金子 富志人
1
,
秋山 一男
1
Fujito KANEKO
1
,
Kazuo AKIYAMA
1
1国立相模原病院内科
pp.125-127
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900823
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はじめに
PIE症候群とはpulmonary infiltration with eosinophiliaの略称であり,好酸球増多を伴う肺疾患の総称である.
本症候群に関する最初の報告はLoeffler1,2)によるもので,のちにLoeffler症候群と呼ばれるようになった.その後,Weingartenはtropical eosinophiliaと題する論文を報告した3).Reeder,Goodrichは少しずつ病像や予後の異なる症例をまとめてPIE症候群と呼ぶことを提唱し4),Croftonらは同様の考えからpulmonary eosinophiliaとして,各群間には互いに移行があるとしながらも5群に分類した5).その後,Liebow,Carringtonらは末梢血好酸球増多は示さないが,肺組織に好酸球浸潤を認める症例を報告し,末梢血ばかりでなく組織の好酸球増多を含めた広い概念としてeosinophilic pneumoniaを提唱した6).また,胸部X線上,異常陰影を認めず組織学的に好酸球浸潤を認めた症例も報告されている7).
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